ペットフード表示の作り方をペットフード安全管理者が解説
〜ペットフード安全管理者がペットフードの表示を作ってみた〜

ペットフード表示の作り方を ペットフード安全管理者が解説~ペットフード安全管理者がペットフードの表示を作ってみた~ 食品表示の作り方

お惣菜やスイーツなどの食品表示の作成経験があるペットフード安全管理者が、食品ではなくペットフードの表示ラベルを作成してみました。
今回は初めてペットフードの表示ラベルを作成することになり、ペットフードの表示に関係のある法律や規則を調べながら作成することにしてみることにしました。
どれだけ時間がかかるのか、調べてみてどうだったのかなど率直な感想を記入していきます。

まずはペットフードの表示に関係のある法律・規則の調査から

ペットフード安全法

ペットフードの表示ラベルにはペットフード安全法に基づいたルールがあり、5つの記載必須項目があります。
1.名称
2.賞味期限
3.原材料名
4.原産国名
5.事業者名および住所

犬・猫が食べたり、飲んだりするもので、動物性医薬品など以外のものは全てペットフード安全法を守る必要があります。
今回私が作ろうとしている「犬用のペットフード」についても、もちろん対象ですね。
そのほか、具体的には総合栄養食・一般食・ガム・サプリメント・ミネラルウォーターなど全てが対象となるようです。

ペットフードの表示に関する公正競争規約

さらに調べてみると、ペットフード安全法のほかに、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」があることがわかりました。
こちらはペットフード公正取引協議会により制定・運用されている自主基準のようです。
消費者が製品や品質などに関して誤認するような表示を無くしたり、ペットフード安全法による表示項目では拾いきれないような表示内容を規定していて、国内で販売されているフードの約90%以上でカバーされている規約のようです。
なので、公正競争規約についてもできる限り遵守した方が安心ですね。
今回は公正競争規約にも従った表示を作成してみようと思います。

公正競争規約ではペットフード安全法の5項目に加えて4項目の全9項目が必要表示事項として示されています。

1.名称(商品名に加えて、犬用、または猫用である旨)
2.ペットフードの目的(総合栄養食、間食、療法食、その他の目的食の別)
3.内容量
4.給与方法
5.賞味期限
6.成分(重量百分率でたんぱく質、脂質、粗繊維、灰分、水分について)
7.原材料名
8.原産国名
9.事業者の氏名又は名称及び住所

今回、実際に表示を作成してみて、特に悩んだ部分についてさらに詳しく説明していきます。

実際に表示を作成してみた①目的

ペットフードには商品を与える目的によって大きく4種類の分類があります。
まずは商品がどの分類に当たるか判断し、その目的を表示に記載します。
分類は以下のとおりです。

総合栄養食:毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水のみで指定された成長段階における健康を維持できるよう、栄養的にバランスのとれたもの。また、公正競争規約施行規則る栄養成分等に関する運用基準を常に満たすもの

間食:おやつ、褒美、又はコミュニケーションの手段として、時を選ばず給与することを目的としたもの

療法食:栄養成分の量や比率が調節され、特定の疾病又は健康状態にあるペットの栄養学的サポートを目的に、獣医療において獣医師の指導のもとで食事管理に使用されることを意図したもの

その他の目的食:特定の栄養成分等の調節・補給又は嗜好増進として与えることなどを目的としたものであり、総合栄養食、間食及び療法食以外のもの

今回、私の場合は「間食(おやつ)」にあたる商品でした。そのため、表示ラベルには、「目的:犬用おやつ」と記載しました。

実際際に表示を作成してみた②給与方法

給与方法は目的によって記載方法が異なっており、目的によって以下の事項を記載することが望ましいとされているようです。

総合栄養食:成長段階、体重、給与回数及び給与量

間食:必要とされる栄養、栄養バランスに支障を与えないための給与限度量。必要に応じ、給与回数や与え方も記載する。

療法食:体重、給与回数及び給与量、並びに獣医師の指導に基づいて給与するべきものである旨の注意書き

その他の目的食:給与の仕方及び給与量。一日に必要な栄養を満たすために別途栄養補給する必要がある旨、又は同時に与える必要があるペットフード(総合栄養食、等)や食材の名称などを併記する。

今回は「間食(おやつ)」にあたる商品だったため、給与限度量を設定し、ペットの体重ごとに適切な給与限度量を以下の通り記載しました。

【1日の給与目安量】
・3kg : 1/7個
・5kg:1/5個
・10kg:3/8個
・20kg:5/8個

実際に表示を作成してみた③成分

成分の表示は重量百分比とし、次のとおり記載するものとされています。

たんぱく質・・・ %以上
脂質・・・・・・ %以上
粗繊維・・・・・ %以下
灰分・・・・・・ %以下
水分・・・・・・ %以下

食品と比較しても、少し異なりますね。
具体例として、今回の表示では以下のように記載しました。

【栄養成分】
・たんぱく質79.0%以上
・脂質7.0%以上
・粗繊維1.0%以下
・灰分7.0%以下
・水分5.0%以下

実際に表示を作成してみた④原材料名

原則として使用した原材料全てを記載することとされています。添加物以外の原材料は、原材料に占める重量の割合の多い順に記載し、添加物については、加工助剤を除き、使用したものを全て記載します。
栄養強化剤のビタミン類又はミネラル類は、それぞれ「ビタミン類」又は「ミネラル類」の文字の次に括弧を付して、当該原材料のビタミン名又は物質名、物質名等を集約して記載できるようです。
今回は、栄養強化剤としていくつかビタミン類を添加していたため、以下のように記載しました。

【原材料名】
鶏肉、さつまいも、~~略~~、ビタミン類(A、B1、D、E)

ペットフードの表示を作ってみて・・・

まず、「ペットフード安全管理者」の資格を取得するためにトータル3ヶ月程度勉強しました。働きながらの資格取得だったため、平日は実質1日2時間程度勉強していました。
資格の範囲の中にペットフードの表示に関することがらも含まれていたため、結果として実務を行った時の効率化には繋がりましたが、働きながらの資格取得はなかなか骨が折れました。

また、実際に実務としての表示作成では、資格取得時の前知識をもって行っても表示作成スタート〜完成までトータル4時間程度かかりました。
初めの2時間は法律や規則の詳細を調べることに費やしました。
加えて、その後2時間で商品のレシピを参照しながら実際の表示の形に落とし込みました。
今回は原材料や添加物、サプリメントなどの種類が比較的少ない商品への表示ラベル作成にも関わらず、意外と時間がかかりました。
もっと複雑で原材料の種類が多い場合は更に時間がかかりそうだな、と感じました。

普段は食品表示を作成していますが、細かい部分が食品表示法とは異なること、表示する成分項目や表示方法が異なることが時間を要するポイントでした。
(特に、普段食品の表示を作成されている方は、関連法律の切り替えに頭が混乱しそうです・・・。)
慣れるまでは1つの表示を作るのに多めの時間を見積って、各規則の確認時間も取っておいた方が良さそうです。

また、各規則をしっかり確認しながら作成したとはいえ、これで合っているのかな…?というような不安は完全には拭うことはできないため、適宜勉強をしていく必要がありそうです。
当たり前ですが、製品は各社異なっており、個々の製品にあった絶対的に正しい表示は調べても出てこず、ペットフードの表示に詳しい人が常にアドバイスしてくれる訳ではないので相談できる先が欲しいな、と強く感じました。

特に、食品に関する表示についても知識がない方はさらに作成に時間を要すると思うのと、不安は強まるだろうと思います。

食品の表示の場合、不明点は管轄の保健所などに確認すると良い場合もありますが、
ペットフードに関しては保健所は管轄外であり、各地方農政局へ問い合わせることができるようです。ただ、保健所よりも数も少なく、少し大掛かりな気がして、漠然とした不安に対して問い合わせするのは気が引けてしまいました。

表示作成の効率化や、作成時の不安解消ができる方法がないかと調べてみたところ、丸ごと作成の委託を引き受けてくれる会社が出てきました。

食品表示に関しては、委託を受けてくれる業者があることは知っていたのですが、同様にペットフードの表示を委託できる会社もいくつか見つかりました。
その中でもフードガイドサービスの内容は表示ラベル作成が初めての方、不安を持っている方には特に良いと感じました。

フードガイドサービスペットフードLP

個人的に良さそうだなと思ったポイントは、

1.レシピや規格書を渡すだけで、実際の表示ラベルの形まで作成してくれる
2.ペットフード安全管理者など、有資格者が必ず確認してくれるので安心
3.法改正対応など、アフターフォローも充実している
(法改正は、普段表示以外の業務をしていると、常に情報を追いかけ続けるのは大変なのと、情報取得漏れが心配なため、アフターフォローサービスに加入していると安心感がある)
4.普段は食品表示の対応も行っており、表示委託業務の実績もあるため安心

ペットフードを販売されている方は、「ペットフードの表示」に関する業務だけではない方が多いと思いますが(私のように、普段は食品も製造販売している、等)、その場合、法改正情報を常にキャッチしたり、原材料の細かい変更に対応するのは手間が大きいですが、フォローサービスのおかげでそのあたりまで委託できるのはとても安心ですし、業務効率化を図るのにとても有効なサービスだと思います。

また、社内に私のように表示ラベルを作成したことがあったり、知識があったとしても、一人の判断では悩む部分や、不安になる箇所は必ず発生すると思います。
そんな時に最終チェックだけでも有識者に依頼することができるのも、安心ですね。
表示が間違っていると、リコールや規則違反による罰則に繋がってしまうので、そのリスク回避のためにも、表示のプロが集まる組織にサポートしてもらうのをお勧めします。

内藤知佳

ペットフード安全管理者、管理栄養士、中級食品表示診断士。食品メーカーでの企画開発経験を活かし、現在がペットフードの企画開発を中心に、表示作成の業務を担当しています。

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