フードコーディネーターとして独立して3年が経った今年の秋、以前から思い願っていた仕事に携わらせていただけることになりました。
“生まれ育った町に何かしら恩返ししたい”と思っていた中、私が幼少期の頃から地元の方々に親しまれていたお菓子屋さんの焼き菓子フィナンシェを、地元以外の方々にもお届けできるように製品化し、インターネット上で販売していくこととなりました。
プロジェクト責任者である友人からお声をかけていただき、管理栄養士の専門知識を生かして手伝ってほしいとのこと。いくつか取り掛かった業務の中で、今回は『食品表示』の作成についてお話していきます。
「食品表示法」の複雑性に直面
食品表示についての業務は今まで取り組んだことがありませんでしたが、管理栄養士として培ってきた知識でどうにかできると思いましたし、また私自身が一消費者として日常的に商品ラベルを目にしてきて、“そこまで難しいものではないだろう”という印象をもっていたので、業務を引き受けることにしました。
先に結論から申し上げると…
『これは、一から十まで私だけの知識と経験で進めることはできない』という答えに行き着き、最終的には“食品表示のプロフェッショナル”のお力も借りることにしました。
話は戻りますが、まずは食品表示ラベルについてのルールや作成方法を知る必要がある。そこで、食品表示ラベルを管轄している消費者庁の食品表示ラベルに関するWebページにアクセスしてみました。
すると、食品表示ラベルには「食品表示法」という法律がベースとして存在しますが、思っていたものと全然違う…もっとシンプルで簡単に作れるものだと思っていたのですが、ものすごく情報量が多くてややこしい。原材料だけでも複合原料に原産地、製造地、国産に国内製造があり、加えて添加物にはアレルギー表示や栄養成分表示と、表示しなければいけない項目が沢山あることがわかりました。そして様々な法律が関係していてルールも色々とあるようです。
表示内容の難題
今回のフィナンシェは、アメリカ産の小麦粉やアーモンドパウダーを日本で製粉化や粉末化して販売している日本企業の物を使用しているのですが、原産地、製造地、国内製造地、この辺りの実情がアメリカから日本にわたっての工程になっているため、ややこしい印象を受けます。
また、原材料は多いものから先に記載されていることは知っていましたが、食塩不使用バターと卵白の使用量が一緒なので、同じ分量だとどちらを先に書けばいいのだろう…あいうえお順なのだろうか?
しっかりと調べなくてはならない。栄養成分表示もしなくてはならないということは栄養計算もすることになるのですが、これも自信がない…。
| 商品名:フィナンシェ | 8個分 | |
|---|---|---|
| 原材料 | 分量(g) | 原産地情報 |
| 食塩不使用バター | 60 | 日本 |
| 卵白 | 60 | 日本 |
| グラニュー糖 | 50 | 日本 |
| はちみつ | 5 | 日本 |
| 薄力粉 | 25 | アメリカ産の小麦を輸入、日本の製粉会社で製粉化、薄力粉として販売 |
| アーモンドパウダー | 35 | アメリカ産のアーモンドを輸入、日本の会社で粉末化、アーモンドパウダーとして販売 |
| ベーキングパウダー | 1 | 日本 |
1つの商品の食品表示ラベルを作りたいだけですが、調べなくてはいけないこと、認識しなくてはいけないことが山ほど。調べるといっても、消費者庁に掲載されているのは膨大な情報量で、そこから自分が必要な情報にたどり着くのも決して容易ではありません。
そして今回特に肝を冷やしましたのが、表示内容を間違えてしまった場合の罰則です。
2020年4月より食品表示に関わる法律が厳罰化され、自主回収や罰金などの罰則が科されるとになりました。
重大な違反をした場合、是正指示なしで2年以下の懲役。
法人だと1億円以下の罰金、個人なら200万円以下の罰金に問われることもあるようです。
こんな重大な仕事を自分一人で引き受けるには荷が重すぎますし、勉強したとこでこのルールを全て理解するのは今の私の力量では不可能に近いと感じましたし、一から勉強していたらものすごく時間がかかり、いつになってもフィナンシェの販売にまで至れない…と。
食品表示は消費者に商品をお届けする上では絶対に避けられない作業工程ですので、どのようにしてクリアしていこうかと、色々とインターネットで調べていたところ、どうやら食品表示を専門とした会社やサービスが存在するということで、難易度、手間、責任など総合的に考慮すると、そのような専門会社に外注依頼するということが最良の選択になるのではないかと考えました。
そのような専門会社は数社ありましたが、今回はその中でも良さそうな印象を受けた2社についてご紹介させていただきます。
「食品表示の専門会社比較」:外注サービス「フードガイドサービス」/システム導入「スマート食品表示」
【フードガイドサービス】

こちらはホームページがとても見やすく、様々なサービスが充実していそうな印象。
食品表示ラベルに特化した上級食品表示診断士で管理栄養士の方が対応してくれることも非常に心強く思います。
そもそも上級食品表示診断士という資格が存在していることすら知りませんでした。
すごい資格が必要な食品表示ラベルの作成をド素人の自分がやるなんて、ますます無理なことをしようとしていたんだなぁと思い知らされる気持ちです。
お急ぎの方直通の電話やLineを使用した問い合わせ方法もあり、年中無休24時間対応とのことで今後、急ぎで対応してほしい時なども相談もしやすそうで、アフターフォローが充実しているように見受けられます。

ラベルの印刷まで一元対応してくれているとのことで、すぐに商品に活用できそう。
小ロットからも対応してくれるとのことで、業者を増やさずに食品表示ラベルを一括でお願いできるのは手間も省ける。

ファイル形式がExcel、PDF、写真など、どのようなデータのスタイルでもOKであることは今後の商品展開を考えるとメリットになりそう。

法改正を自分たちで把握しておかなくてもいいのはありがたい。
完全に商品自体を任せることができるのは、こちらの仕事量も減って助かる。

物価高の今、原材料の変更や分量の変更などはいつ起きてもおかしくないことで、都度都度外注して食品表示ラベルを作成してもらっていたら費用がかさみすぎる。このサービスはすごく助かる。

月額料金を払わない非会員での利用もできるし、会員料金を支払えば非会員価格の約半額で作成してもらうことができる。
ライトプランからだと利用し始めやすいし、先に伝えた表示変更や商品使用原材料の変更・差し替えのアフターフォローの対応を10品まで対応してくれるとのこと。
商品の登録できる品数は少ないようにも思えるが、食品事業を始めたばかりで、今後どれだけの商品を出していくのかまだ見通しが定まっていない会社にとっては、ライトプランの月額1,000円は導入しやすく大変ありがたい。
食品表示/商品開発について、プロの方々が相談にも乗ってくれるとのことで、頼もしい。
【スマート食品表示】
ホームページを見る限り、シンプルな仕組みで使いやすそうなところが好印象です。
実際に使用している方の声も記載されていて、ユーザーの皆さんの意見にはとても共感できるところが多くあります。
本格導入する前にお試しで使い勝手を知れることに越したことはない。導入のハードルがグッと下がる。
月額料金は必須ですが、
| プラン | 月額料金 | 商品数 | 原材料数 |
|---|---|---|---|
| スタータープラン | 2,480円 | 30 個まで | 75 個まで |
| スタンダードプラン | 4,980円 | 60 個まで | 150個まで |
| プレミアムプラン | 9,800円 | 120 個まで | 300 個まで |
そして、無制限のエンタープライズプランという4つのプラン。
料金プランが選べるのは始めやすいと思う一方、原材料の個数に上限数があるのは今後の販売商品にも影響が出てくるのではないかと心配に思うのが正直なところ。
データを入力する暇もないなどの要望にお応えして、書類を揃えるだけで良い、ご利用中の他社システムとの連携なども記載されている。
別途料金は必要になってくると思われるが、年度末など忙しい時などにこのようなオプションがあるのは魅力的。
どちらの会社にもメリットデメリットはあるかと思います。
1品当たりの料金は「スマート食品表示」が安価で会社それぞれに応じたオプション対応も魅力的ですが、基本サービスや充実のアフターフォローを考慮して「フードガイドサービス」を一度試してみたいと思いました。
そもそも食品表示ラベルは、私たちの商品を購入してくださるお客様が目にする商品の情報であり、プロフィールのようなもの。
お客様によってはアレルギーがあったり、添加物が気になる方で食品表示ラベルをしっかりと見て商品を購入する方も多いでしょうし、安心して安全な商品をお届けするためにも食品表示ラベルのプロフェッショナルに依頼した方が得策であるという考えが強まりました。
実際に専門会社へ依頼してみた
後日、フードガイドサービスのホームページから問い合わせをし、最終的には食品表示ラベルの入稿までお願いしました。
見積り請求から食品表示ラベルの入稿まで4-5通ほどメールの往復をしましたが、レスポンスが非常に早く、対応体制がしっかりされている印象を受けましたし、担当の方には丁寧に次のアクションへと導いていただけました。
今回は最安のライトプランにて、販売を控えているフィナンシェの食品表示ラベルを作成してもらい、スムーズに入稿まで進みましたが、いざとなれば上級食品表示診断士のスタッフに相談もできるということでとても心強く思います。
話は戻りますが、焼き菓子フィナンシェのプロジェクトに関わらせていただくことになり、今後販売を控えているわけですけれども、全て自身で食品表示ラベルを作成していたならばきっと、自主回収や罰金などの心配や不安を抱えながら他の業務を遂行していくことになっていたのではないかと思いますし、そのような心理状態にならないためにとなれば、相当な時間を費やして知識や情報をインプットしなければならなかったでしょう。
事業者そして顧客様の“『安心』を買った”と考えれば、フードガイドサービスに支払った費用も高いとは思いませんし、販売製品が今後増えていくようでしたら状況に合わせて料金プランも最適なものへ変更して利用していこうと思いました。




