食品表示を作成するときに必要な資料まとめ~保管期間や保管方法についても解説~

食品表示を作成するときに必要な資料まとめ保管期間や保管方法についても解説 食品表示の作り方

食品表示を作成するとき、どのような資料を集めればいいのか悩むことはありませんか?

原材料表示・アレルゲン・栄養成分値・賞味期限などの根拠となる資料ですので、もれなく集めたいですよね。食品表示を作成するときに必要な資料についてまとめました。

また、資料をいつまで保管すればいいのか、どのように保管すればいいのか疑問に思う方も多いかもしれません。集めた資料の保管期間や保管方法についても解説しますので、参考にしてみてください。

食品表示を作成するときに必要な資料まとめ

食品表示を作成するときに必要な資料まとめ

1.レシピや配合表(「原材料表示」の根拠資料)

食品表示を作成するときに、まずはレシピや配合表が必要です。
レシピや配合表には使用した原材料の名称や使用量などが記載されており、「原材料表示」を作成するときの根拠資料となります。

原材料表示」とは、使用した原材料や添加物、含まれるアレルゲンについてまとめて記載する項目のことで、原則として原材料と食品添加物をそれぞれ使用量の多い順に記載する決まりとなっています。

ですので、レシピや配合表に原材料の名称や使用量がきちんと記載されていることを確認しましょう。また、g(グラム)やL(リットル)など使用量の単位がばらばらになっている場合はg重量にそろえたり、使用している原材料が添加物も含めてすべて記載してあるかチェックしてから保管するといいいですよ。

レシピや配合表のほか、製造仕様書、製造指示書、原材料使用記録、製造記録なども原材料表示の根拠資料として適しています。

2.原材料の情報「原料規格書」

使用している原材料の詳しい情報についても食品表示を作成するときに必要ですので、取引先から入手するようにしましょう。

原材料の情報とは、製品名・一般名称・原材料・添加物・アレルゲン・栄養成分などです。
特に、加工品を原材料として使用している場合は、生鮮食品を原材料とする場合よりも多くの情報が必要となってきます。

たとえば、ドレッシングを使用したサンドイッチの食品表示を作成する場合、ドレッシングが何から作られているかということや、使われている添加物、含まれるアレルゲンについて一見しただけではわかりません。

さらに、使用している原材料が食品表示基準等によって定義されている場合、どの名称に当てはまるかという情報も必要です。たとえばドレッシングは「半固体状ドレッシング」「乳化液状ドレッシング」など名称が粘度や油脂量によって決まっています。

一般名称・原材料・添加物・アレルゲンなどの情報がまとめて記載されているのが「原料規格書」などの資料です。

原材料の情報はパッケージにも記載されていますが、製造のたびに保管することは現実的ではありません。ですので、原料規格書などの資料を保管しておくと安心ですね。

原料規格書には原材料の産地や栄養成分値が記載されていることもあり、その場合は食品表示に産地や栄養成分値を記載するときの根拠資料にもなりますよ。続けて解説します。

資料イメージ

3.原料原産地の根拠資料

食品表示を作成するとき、原材料表示のうち第一位の原材料については産地「○○産」や製造地「○○製造」などの原料原産地を記載することが義務づけられています。※添加物は対象ではありません。

ですので、原料原産地の根拠資料として、産地や製造地が記載された資料を残すようにしましょう。先ほどご説明した原料規格書のほか、産地証明書や産地が記載された送り状なども根拠資料として適しています。

4.栄養成分値の根拠資料

栄養成分値についても、食品表示を作成する際に記載しなければいけません。
表示が義務づけられている栄養成分の項目は、「熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量」です。
表示する栄養成分の数値を決める方法は2つあります。

  • 測定によって得られた分析値を表示する方法
  • 日本食品標準成分表等のデータベースや、原材料メーカーから入手した値からもとめた計算値を表示する方法

測定による分析値を使用する場合は、分析結果の報告書などが根拠資料にあたります。

一方、計算でもとめる場合は、データベースや原材料の栄養成分値が根拠資料となります。

特に加工品の場合はそもそも日本食品標準成分表に記載がなかったり、たとえ類似する品目であっても同じ栄養成分値であるとはかぎりません。ですので、原料規格書などに記載された数値を元に計算する方がよい場合もあり、その場合は原材料の栄養成分値を根拠資料として保管しておきましょう。

賞味期限

5.賞味期限・消費期限の根拠資料

食品表示には、賞味期限や消費期限を記載する必要がありますので、賞味期限や消費期限の根拠となる資料についても保管しておきましょう。

賞味期限や消費期限を決めるとき、保存試験や菌検査をおこなったり、似た食品の実績などを参考にします。

保存試験結果や菌検査結果など、期限を設定するときに参考にしたデータが根拠資料となりますよ。

大豆

6.産地やブランド名などを強調するときの根拠資料

表示義務となっている第一位の原料原産地表示のほかに、パッケージなどに「国産大豆使用」「松坂牛使用」などと産地やブランド名など特定の銘柄を強調して表示したい場合もあるでしょう。

このような表示を「特色のある原材料表示」といいますが、該当する場合は、産地や銘柄が記載された原料規格書・産地証明書・送り状などを保管しておきましょう。

また、特色のある原材料には、「有機小麦粉使用」「コシヒカリを〇%使用」などと強調する場合も含まれます。 有機の表示をする場合は有機証明書や有機JAS認証番号が記載された原料規格書、割合表示する場合はその割合が書かれた原料規格書などがあると安心です。

7.その他

その他にも、食品表示を作成するときには

  • 遺伝子組み換え表示の対象となる場合はその資料
  • 米トレーサビリティ・牛トレーサビリティに該当する場合はその資料
  • 生カキやフグの場合はその関連資料

など、それぞれ保管すべき資料がありますので、該当する場合は規定にしたがって資料を保管してください。

食品表示を作成するときに必要な資料については以上になります。
表示する項目に合わせて根拠資料を集め、保管することが大切になってきますよ。
それでは、根拠資料はいつまで保管すればいいのでしょう?また、どのような形で保管すればいいのでしょうか。

根拠資料の保管期間や保管方法

資料ファイル

保管期間 いつまで保管すればいい?

根拠資料の保管期間は、すくなくとも「製造されてから消費されるまでの間」を目安に保管しましょう。たとえば、賞味期限1年の場合は、最低でも1年間は保管するのがいいでしょう。

注意したいのが、原料原産地表示のうち、「又は表示」、「大括り表示」で記載している場合です。

「又は表示」とは、「○○産または○○産」などと異なる産地を表示する方法です。

また「大括り表示」とは、3以上の外国の産地を「輸入」と括って表示する方法です。

いずれも複数の産地で生産された原材料を使用している場合になりますので、使用実績の証拠として通常よりも長めに保管しなくてはいけない決まりになっています。

「又は表示」、「大括り表示」で記載している場合の保管期間は「賞味(消費)期限に加えて1年間」です。※賞味期限の表示を省略している製品については製造してから5年間

たとえば、賞味期限1年で表示している場合は、根拠資料は2年間の保管が義務付けられています。

保管方法 紙に印刷して残したほうがいい?

根拠資料の保管方法については、印刷して書類として残したほうがいいと思われるかもしれませんが、電子媒体も含まれます。ですので、パソコン内やクラウド上に保存しているデータも含まれるんですよ。

電子媒体で保管する場合、バックアップも忘れずにおこなうことをおすすめします。

保管方法 きちんと整理したほうがいい?

根拠資料は、商品ごとにファイル分けするなど、きちんと整理して保管しましょう。
整理してあることで、

  • お客様から質問があったときに迅速に対応しやすい
  • 表示内容に変更がある場合にも把握しやすい

といったメリットがありますよ。

最後に

いかがでしたか?
食品表示を作成するときに必要な資料と、根拠書類の保管期間や保管方法について解説しました。
食品表示の資料集めや保管の際は、ぜひ参考にしてみてください。

参考

消費者庁 食品表示基準Q&A 平成27年3月(最終改正 令和3年3月17日消食表第115号)p.219, p.220, p.44
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms101_210317_12.pdf
オージーフーズ 食品表示の作成に必要な資料とは?
https://www.aussie-fan.co.jp/quality/mailmagazine/post-2699
廣野沙織(ひろのさおり)

管理栄養士・中級食品表示診断士
お茶の水女子大学大学院にて食品科学を専攻し、在学中にフリーランス管理栄養士として開業。レシピ開発や出張料理サービスを中心に携わり、大学院修了後は、特定保健指導や、セミナー・料理教室講師としても活動を広げる。2020年に株式会社セイボリーを設立。主な事業はレシピ開発・料理撮影や、調理器具・食品関連のコンサルティングなど。自身はディレクションを行いながら、現場での調理や写真撮影も担当する。著書に「小鍋のレシピ 最新版」(辰巳出版)。

管理栄養士・料理家・料理写真家 ひろのさおり オフィシャルブログ:https://hironosaori.com/

株式会社セイボリー:https://savory.co.jp/

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